CONTENTS |
---|
イントロ |
作者について |
作風について |
単行本について |
イントロ | |
---|---|
時は19世紀半ば、場所は西大陸の強国バナディス。
そのキャサリンに、正確には父親であるエリオット卿に、ある日一通の手紙が届けられる。
隣国ヴィルドナのマクシミリアン公爵からのその手紙には、
公爵の子息でキャサリンの幼なじみフランツとキャサリンを婚約させたい、という旨が書かれていた。 |
正義感に燃えるキャサリンはフランツと公爵家を救うため、メイドのニーナと共にヴィルドナへ向かう。
しかしヴィルドナ行きの汽船は嵐の為に当面の間欠航。
このままではフランツとの婚約を発表する舞踏会に間に合わない。 |
作者について |
---|
著者の茅田砂胡さんは1992年に作家デビュー、
1993年に始まった中央公論新社C★NOVELSファンタジア刊(中公文庫で再版)の
「デルフィニア戦記」(全18巻)で人気作家となりました。
私は「レディ・ガンナー」で初めて茅田砂胡さんの作品を読みましたが、
破壊的なインパクトはないものの、とてもしっかりした文章を書く人だと思います。
かれこれファンタジーを500冊ほど読んできましたが、
これほど綺麗で読みやすい日本語を使う人はなかなかいません。
一方、イラスト担当の草河遊也さんは1993年に漫画家としてデビュー、
1994年に始まった秋田禎信さん作の富士見ファンタジア文庫刊
「魔術士オーフェンはぐれ旅」のイラスト担当に抜擢され、
この大ヒットにより一躍人気イラストレーターになりました。
富士見書房から「オーフェン」の画集「鋼の後継者」「黒の聖域」も出ています。
カラーではしっとりと落ち着いた、モノクロでは緻密で迫力のある画風を持つ人で、
完成されたデッサンを武器に構図を自在に使いこなします。 |
作風について |
---|
この作品のテーマは大きく二つに分けられるでしょう。
一つは台風娘キャサリンが巻き起こす勧善懲悪で面白おかしいコメディ。
もう一つは、キャサリン自身を含めた社会全体が
動物に変身する人々「アナザーレイス」および「インシード」に対して抱く理不尽な先入観と偏見への、
キャサリンの義憤です。
思うに、これは少年ファンタジーの皮を被った少女ファンタジーでしょう。
そこに、少年ファンタジーを代表する草河遊也さんのイラストを持ってきたのは、
一体誰のアイデアか知りませんが、やってくれたなぁと思います。 |
単行本について |
---|
次の6冊が出ており、更に1冊が刊行予定です。 |
表紙 | ![]() |
![]() |
![]() |
---|---|---|---|
タイトル | レディ・ガンナー の冒険 |
レディ・ガンナー の大追跡 上 |
レディ・ガンナー の大追跡 下 |
レーベル | 角川 スニーカー文庫 |
角川 スニーカー文庫 |
角川 スニーカー文庫 |
初版 | 2000年4月10日 | 2002年1月1日 | 2002年2月1日 |
ISBN | 4-04-423101-X | 4-04-423102-8 | 4-04-423103-6 |
表紙 | ![]() |
![]() |
![]() |
---|---|---|---|
タイトル | レディ・ガンナー と宝石泥棒 |
レディ・ガンナー と二人の皇子 上 |
レディ・ガンナー と二人の皇子 中 |
レーベル | 角川 スニーカー文庫 |
角川 スニーカー文庫 |
角川 スニーカー文庫 |
初版 | 2003年3月1日 | 2004年3月1日 | 2005年2月1日 |
ISBN | 4-04-423104-4 | 4-04-423105-2 | 4-04-423106-0 |
今まで主に女性向レーベルで発表されてきた茅田砂胡さんの作品が、
「角川スニーカー文庫」という少年向けレーベルから出たとき、どんな反応が待っているのでしょうか。
そして、その強いメッセージ性はどのように受けとめられるのでしょうか。
とても興味深いものがあります。
そして茅田砂胡さんご自身は書かれるつもりがあるものの、
今後も「角川スニーカー文庫」から本として出せるかどうかは、人気次第だということです。
2年に1冊でも良いですから、続けていって欲しいものです。 |