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砂糖菓子(ライトノベル)を生き抜いて | ||
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2006年9月9日
お久しぶりです。このコーナーにとって約1年ぶりの更新になります。 さて、去る2005年8月に富士見ミステリー文庫の絶版調査をしましたところ、 思いのほか好評を頂きました。 そこで「うん、これは1年後もやろう!」と心に決めていたのですが、運悪く(日頃の行いが悪いとも言う)7月末にPCを壊してしまいました。 定期更新はなんとか途絶えずに続けることができたのですが、このコーナーのような企画ものには手が回らない状態になってしまい、 予定より1ヶ月遅れてしまいました。済みません。
というわけで1ヶ月遅れての、2006年8月現在の富士見ミステリー文庫の絶版調査とその結果をご覧ください。 |
調査方法は去年と同じです。2006年8月分までの既刊265点について、富士見書房の公式サイトで購入可か、品切・重版未定か、
あるいは公式サイトに載っていないかを調べ
「購入可」:公式サイトで購入できるもの。
と分類しました。
これを月別に集計にしたものが次のグラフです。比較しやすいように去年(2005年8月現在)のグラフと並べてみました。
上が2005年8月現在、下が2006年8月現在。
(スペースの都合上、月(横軸)の目盛りは2ヶ月ごとになっていますが、グラフそのものは毎月のデータを表示しています。) |
![]() 富士見ミステリー文庫の購入可/絶版状態(2005年8月現在) |
![]() 富士見ミステリー文庫の購入可/絶版状態(2006年8月現在) |
この1年間で新刊は49点ありました。このペースは2003年末のリニューアル以後ほとんど変化していません。
また毎年、年末年始に刊行点数が一時的に増えています。この現象はリニューアル前、創刊時から続いています。
赤の「絶版」は驚くべきことに去年と変わっていません。すなわち富士見ミステリー文庫ではこの1年間に新たな絶版はありませんでした。
全体的に見てみると、去年は「購入可」と「絶版」にはさまれて「品切・重版未定」が狭かったのですが、
今年は「品切・重版未定」が広がって3つがバランスよくなったような感じがします。
去年の時点では「品切・重版未定」→「絶版」の移行が急激に見えていたのに、
その後1年間「絶版」が1点も出なかったため、
今年は「品切・重版未定」→「絶版」の移行が緩やかになったように見えるということでしょう。
新たな絶版が出ていないのはレーベルのリニューアルと関係があるかも知れません。
次に刊行から何年経っているかで区切って、「品切・重版未定」「絶版」になっている割合を見てみましょう。
これも去年の調査と比較しやすいように並べてみました。 |
2005年8月現在 | |||||||
刊行から | 4年以上 | 3年以上 4年未満 |
2年以上 3年未満 |
1年以上 2年未満 |
1年未満 | トータル | |
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刊行点数 | 34 (100%) | 42 (100%) | 45 (100%) | 46 (100%) | 49 (100%) | 216 (100%) |
|
購入可 | 8 (23%) | 15 (35%) | 32 (71%) | 46 (100%) | 49 (100%) | 150 (70%) |
|
品切・ 重版未定 |
2 (6%) | 7 (17%) | 9 (20%) | 0 (0%) | 0 (0%) | 18 (8%) |
|
絶版 | 24 (71%) | 20 (48%) | 4 (9%) | 0 (0%) | 0 (0%) | 48 (22%) |
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2006年8月現在 | |||||||
刊行から | 5年以上 | 4年以上 5年未満 |
3年以上 4年未満 |
2年以上 3年未満 |
1年以上 2年未満 |
1年未満 | トータル |
刊行点数 | 34 (100%) | 42 (100%) | 45 (100%) | 46 (100%) | 49 (100%) | 49 (100%) | 265 (100%) |
購入可 | 6 (18%) | 9 (21%) | 23 (51%) | 31 (67%) | 48 (98%) | 49 (100%) | 166 (63%) |
品切・ 重版未定 |
4 (12%) | 13 (31%) | 18 (40%) | 15 (33%) | 1 (2%) | 0 (0%) | 51 (19%) |
絶版 | 24 (71%) | 20 (48%) | 4 (9%) | 0 (0%) | 0 (0%) | 0 (0%) | 48 (18%) |
「絶版」は増えなかったものの「品切・重版未定」が大幅に増えたことによりトータルでの「購入可」の割合は去年の70%から63%に落ちました。
これはレーベルが続く限り今後も落ち続けていくでしょう。
淘汰に生き残り、5年以上前に開始されたシリーズで今なお全巻「購入可」なのは、
南房秀久さんの「ハード・デイズ・ナイツ」、あざの耕平さんの「Dクラッカーズ」、新井輝さんの「DEAR」くらいしかありません。
どうやら人気シリーズ以外で富士見ミステリー文庫の新品を入手したければ、刊行から4年の間に確保しておいたほうが良さそうです。 |
富士見ミステリー文庫のデータを集めたところで、ライトノベル全般の傾向がつかめる訳ではありませんが、
こうしたグラフや表を作成してみて思ったこと、考えたことを幾つか書きます。
[シリーズものについて]
[刊行点数について]
[「購入可」の点数について] |
それでは今回はここまでにいたしとうございまする。また次回も、お付き合い頂ければ幸いです。
次回があれば良いのですが(汗)。あるよ……ね?(自分で聞いてどうする。) |